風立ちぬを読んだ読書感想分
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最終更新日:2020/10/24
ドラマ・映画・本・小説・サブカル
最近ブログに書く出来事なぞ起こりませんので
風立ちぬ 著者堀辰雄の感想を書いてみました。
この風立ちぬは、高校や大学の教科書にも記載されているらしく、私も理系なものですから興味があって読んでみることにしたのです。
ブックオフに行くとちょうど100円で古本が売っていたので早速購入です。
私の読書感想文
風立ちぬは、若妻、節子が結核の病にかかり、節子の自宅での療養生活から物語が始まります。
当時結核というのは死の病で、結核になったら隔離され、そのまま死をゆるやかに待つ・・・という治療方針だったのでしょうか。
肺結核の検査:三連痰の保険請求。抗酸菌分離培養検査(それ以外)×3
サナトリウムという隔離病棟でその余生を送ることになります。
(サナトリウムという言葉でさえ綺麗だ)
主人公とその若妻、節子は、富士だったっけ山麓のふもとにある
病室で2~3年間生活することになります。
この日本文学的小説の注目する点は、病気、結核、死などの表現を一切記載しないところです。
病気や結核、死を、近い未来の確定事実として捉え、そしてそれを口にしない表現というのが私には美しく感じました。
風立ちぬ、いざ生きめやも
という言葉になぞらうよう、
限られた時間、妻と生活するその時間は長くも短く、
病室から出たバルコニーからの繊細な描写がそのはかなくも長いが短い時間、
そして毎日同じ日々というのを感じさせられます。
妻節子の結核がひどくなり、発作がでる描写も限りなく少なく、
さらには亡くなる際の記載は一切ありません。
これは著者の堀辰雄が経験したことを日記のように記載していることから、
死に直面した際それを書くことが出来なかったのでしょう。
妻節子の死後は、日付とともに日記的な記載になります。
喪失感であったり、思い出であったり、著者の頭の中での自己解決を
試みる流れ。
この文脈だけではなく、姿勢からも著者の気持ちが読み取れます。
死の訪れが感じられないはかなくも短い物語でした。
著者は仕事をせずに生きれるという結構な身分だったんだなぁと思いました。
当時の作家って給料がぜんぜんないはず。妻の家族が金持ちだったのかなとか
詮索してしまいました。
風たちぬについては、本を買わなくても
青空文庫で読めます。買った後気付きましたよ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4803_14204.html
夏休みの読書感想文を書く場合は、私のこちらのエントリーを参考にしてくださいね。
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映画を見てから一日後なのですが、面白かったので感想を書きました。
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Comment
先ほどwelcartのカスタマイズのことでメールを送ったtamamiといいます。
「風立ちぬ」 私も読みました。美しい作品ですよね。確か立原道造と前後して読んだ記憶があります。理系で文学もわかる人ってステキ あこがれます。
私は全然ダメ人間ですよ、ダメじゃなければ今のような仕事はしていないです。
昔の人の考えや世界観、生活風景を知る一番言い方法はやっぱり本ですよね、だから本は好きです。私も頭がよければ本が書きたいです。でも頭が悪いからこうしてブログを書く程度しかできないのです。
美しい文章って素敵ですよね、ですが当時そういう文学を生み出す人達って、現代で言うニートに近いものがあると思います。お金は自分で稼げないし、認められるのは死後だし。
でもそんな努力っていうのは、人間の輝きなんじゃないかなと思います。
でも私は綺麗な文学を書いて貧乏で死ぬとかそんな人生は嫌です。
ほんと現代は便利になりすぎました。
いろいろ考えるきっかけを頂き、tamamiさんコメントありがとうございました。
[…] 日本の文学にサナトリウムを題材にした作品が多く存在する。 結核にかかった患者を長期的に治療する療養所 風たちぬもそうでした。堀辰雄 […]