最近ブログに書く出来事なぞ起こりませんので
風立ちぬ 著者堀辰雄の感想を書いてみました。
この風立ちぬは、高校や大学の教科書にも記載されているらしく、
私も理系なものですから興味があって読んでみることにしたのです。
ブックオフに行くとちょうど100円で古本が売っていたので早速購入です。
風立ちぬは、若妻、節子が結核の病にかかり、
節子の自宅での療養生活から物語が始まります。
当時結核というのは死の病で、
結核になったら隔離され、そのまま死をゆるやかに待つ・・・という治療方針だったのでしょうか。
サナトリウムという隔離病棟でその余生を送ることになります。
(サナトリウムという言葉でさえ綺麗だ)
主人公とその若妻、節子は、富士だったっけ山麓のふもとにある
病室で2~3年間生活することになります。
この日本文学的小説の注目する点は、
病気、結核、死などの表現を一切記載しないところです。
病気や結核、死を、近い未来の確定事実として捉え、
そしてそれを口にしない表現というのが私には結構美しく感じました。
風立ちぬ、いざ生きめやも
という言葉になぞらうよう、
限られた時間、妻と生活するその時間は長くも短く、
病室から出たバルコニーからの繊細な描写がそのはかなくも長いが短い時間、
そして毎日同じ日々というのを感じさせられます。
妻節子の結核がひどくなり、発作がでる描写も限りなく少なく、
さらには亡くなる際の記載は一切ありません。
これは著者の堀辰雄が経験したことを日記のように記載していることから、
死に直面した際それを書くことが出来なかったのでしょう。
妻節子の死後は、日付とともに日記的な記載になります。
喪失感であったり、思い出であったり、著者の頭の中での自己解決を
試みる流れ。
この文脈だけではなく、姿勢からも著者の気持ちが読み取れます。
死の訪れが感じられないはかなくも短い物語でした。
著者は仕事をせずに生きれるという結構な身分だったんだなぁと思いました。
当時の作家って給料がぜんぜんないはず。妻の家族が金持ちだったのかなとか
詮索してしまいました。
風たちぬ については、本を買わなくても
青空文庫で読めます。買った後気付きましたよ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4803_14204.html
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